
【良寛 生涯立っているにものうく】私の生きざまは、住職になって親孝行しようなどという考えを 好ましくないものと思っており、 ゆったりと、自分の心の中にある清らかな 仏の心のおもむくままに任せて日々暮らしている。 壁に掛けた頭陀袋の中には米が三升、 囲炉裏端には薪が一束あり、 これで十分だ 迷いだの悟りだのに誰がとらわれようか、また、 名誉や利益といったこの世の煩わしさにどうして関わろうか。 雨の降る夜は草庵の囲炉裏端で日頃の托鉢で疲れた 両脚を無心にまっすぐに伸ばしている。
私の生きざまは、住職になって親孝行しようなどという考えを好ましくないものと思っており、ゆったりと、自分の心の中にある清らかな仏の心のおもむくままに任せて日々暮らしている。壁に掛けた頭陀袋の中には米が三升、囲炉裏端には薪が一束あり、これで十分だ迷いだの悟りだのに誰がとらわれようか、また、名誉や利益といったこの世の煩わしさにどうして関わろうか。雨の降る夜は草庵の囲炉裏端で日頃の托鉢で疲れた両脚を無心にまっすぐに伸ばしている。