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【セザンヌの塗り残し】~司教の説教のあと ヤコブの天使がスケッチしている 頬杖ついた 赤い チョッキを着た少年 うつろな まなこに映し出された テーブルに乗った 果物かごに入った ころげ落ちそうな赤いりんご

セザンヌの塗り残し司教の説教のあとヤコブの天使がスケッチしている頬杖ついた 赤い チョッキを着た少年うつろな まなこに映し出されたテーブルに乗った果物かごに入った ころげ落ちそうな赤いりんご少年の見やった 矛先に 窓の外に映し出されているサ...
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【モネの幻想】~湖の内湖の沼に咲く 蓮の花の葉の上に ひとしずくの雨が 珠となって は 蓮の葉の上をすべって転がった

転がりながらも 珠の面に映し出された世界 さらなる奥に映し出された世界の中に 沼が見え沼には蓮の花が咲いているさらにも 葉の上をころがり続け空から降り続ける雨しずくが踊っては奥へと渦巻くように外湖の湖へと誘うどれだけの事かと思い出すと髪は思...
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【薫る風_宇治十帖】~おすべらかしの髪の思い出は かもじなびかせ かたむすび おもいがけない きせつのであい サツキの花のさやあてか

ちょうちょむすびの はねひろげほどけないほど むすびめかたくかたくなに たまむすぶほどつぼみとなってひきあって かべんにあやをつけるほどけたむすびめひとつかたむすびにもどりつけぶみひとつあうは わかれの うたまくらうしろがみひくかもじとてお...
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【地球旗】思い出す空 思い出の空 大空に向かって大の字に 寝っ転がって 見上げれば 大空に翻る地球旗

思い出す空 思い出の空大空に向かって大の字に 寝っ転がって見上げれば 大空に翻る地球旗大気に青く大空染めて美しい地球の旗なんのためでもなく なんにもよらず染まって 染み入る世界覗いちゃいけない空の深さ 青の深さ藍の思い出 新月に仕込み満月に...
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【七夕万葉歌】ゼンマイじかけのザクロの実 はじけて 此岸の地 果実の種ひとつ 彼岸に種まく人 言の葉を託す

ゼンマイじかけのザクロの実はじけて 此岸の地果実の種ひとつ彼岸に種まく人 言の葉を託す此岸彼岸の結縁の綣の緒漏斗の螺旋の記憶繭玉ひとつ 生れ変りの冬ごもり尾びれに照り返す漣躍る銀麟反射して魚眼に映る島影薄雲吐く ひときれの空薄明の瞳まばゆく...
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【ドビッシーに捧ぐ】~ピアノ小曲集に寄せて 仏生会歌 雲にまぎれ 獏たる景色がひろがる 遠く寺院の鐘の音が 木々の梢を 渡つて 声明 風の音を伝える

仏生会歌雲にまぎれ 獏たる景色がひろがる遠く寺院の鐘の音が木々の梢を 渡つて声明 風の音を伝える円なる舞をして月影を映させては墨滴をしたたらせ白き 画仙に染みひろがりしずくのはしから 落ち着きて水琴窟の 水滴の響き静謐に木霊し破られし沈黙静...
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【あなた隠しの隠恋慕】聞こえているのに聞こえないふり ささやく人がいるのに 耳 さえ 傾けない ただ黙って聞いていたいのに 饒舌が 寡黙を守っている

あなた探し見えるのに見えないふり見ている人がいるのに見守っていて欲しいのに慧眼が盲目にさせてただ黙って 目を伏せている感じているのに感じないふり不感症存在を知っていて欲しいのに知らんふり無関心尊重が無視を装っている話せるのに 話せないふり話...
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【青春という名の名馬】あまずっぱく ほろにがく あおくさく じゅせいの みずみずしく いのちをつなぐ あまかわの むける ほうじょうかん なみうつじょうみゃく ずしりとしずむ しんおん

青春という名の名馬あまずっぱく ほろにがくあおくさくじゅせいのみずみずしくいのちをつなぐあまかわのむける ほうじょうかんなみうつじょうみゃくずしりとしずむ しんおんしなやかなしたいのだんりょくかんうけいれるじゅうなんとけるような だつりょく...
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【胸のときめき_心は】こころときめきするもの 枕辺に立ちのぼる 薫香の香り 甘美な夢を誘う 貴方さまの訪れを待つ ひとときの錯覚に 陥っては 悦に入る

胸のときめきこころときめきするもの枕辺に立ちのぼる薫香の香り甘美な夢を誘う貴方さまの訪れを待つひとときの錯覚に陥っては 悦に入る徒に胸はときめく姿見の鏡に曇りが出はじめて錆びてしまう 未来が絶望につながり胸もつぶれる思いがつのる化粧し 着飾...
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【姿なき円なる道】知っている時は流れない 止まったままの無限 めざめの めいきょうしすい

よごと眠られぬあるじはしゅうみんの亭主より眠れる庭園のかじんの果実のもてなしをうけ泥のように深い眠りに堕ちた知っている時は流れない止まったままの無限めざめの めいきょうしすい眠る前に垣間見た花橘のからむ垣根越しの路地のいおり近づこうとすると...
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【御文書凡夫往生の手鏡】それ人間のふしょうなるそうをつらつらかんずるに、凡そはかなきことは、この世のしちゅうしゅう、幻の如くなるいちごなり

それ人間のふしょうなるそうをつらつらかんずるに、凡そはかなきことは、この世のしちゅうしゅう、幻の如くなるいちごなり。されば、いまだまんざいのにんじんを受けたりということを聞かず。一生過ぎやすし。今に至りて、誰か百年のぎょうたいをたもつべきや...
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【胸のときめき】こころときめきするもの  枕辺に立ちのぼる 薫香の香り 甘美な夢を誘う  貴方さまの訪れを待つ  ひとときの錯覚に 陥っては 悦に入る 

こころときめきするもの枕辺に立ちのぼる薫香の香り甘美な夢を誘う貴方さまの訪れを待つひとときの錯覚に陥っては 悦に入る徒に胸はときめく姿見の鏡に曇りが出はじめて錆びてしまう 未来が絶望につながり胸もつぶれる思いがつのる化粧し 着飾り 鏡の前で...
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【ヴィーナスの永遠】西に傾きかけた 夕日  垂れ絹が降り 帳が夜 場末の酒場のジュークボックス 旅はいつか終わるけれど チュニジアの夜が レコード盤の上を踊るダイヤ針

月の 満ち欠けがないものの 正体を思い出すジャンヌダルクの はだけた胸が隠された 怒り いきどうり不条理の旗を振るサミトラ島の ミケのかしら寄るべない 者たちの吐息が 聞こえる西に傾きかけた 夕日垂れ絹が降り 帳が夜場末の酒場のジュークボッ...
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【あなた探しの隠恋慕】ただ黙って 目を伏せている 感じているのに感じないふり  不感症  存在を知っていて欲しいのに 知らんふり  無関心  尊重が無視を装っている  話せるのに 話せないふり  話さないわけは 2人の会話を対話が邪魔する独り言

聞こえているのに聞こえないふりささやく人がいるのに 耳 さえ 傾けないただ黙って聞いていたいのに饒舌が 寡黙を守っている見えるのに見えないふり見ている人がいるのに見守っていて欲しいのに慧眼が盲目にさせて知っているのに知らないふりする無知の知...
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【覚醒】漣の波頭に輝く朝日のかぎろい 天 地を分かち 離れ離れの一時に 出遭う 瞬きの邂逅 永遠を抱き 時こそ今はサンガを集め 香合の香り 立ち昇る龍 空の隠れ蓑

深い眠りの堕ち行く先の浜辺に辿りし 波打ち際儚いゆめゆめ砂塵 泡沫 珠となり天空に浮かび上がって砕け散る漣の波頭に輝く朝日のかぎろい天 地を分かち 離れ離れの一時に出遭う 瞬きの邂逅永遠を抱き時こそ今はサンガを集め香合の香り 立ち昇る龍空の...