遠く山河を望み
近く水辺の沼地を配した山水に
ヒョウタンを持った男とナマズの
取り込むか取り込まれるかの
せめぎ合う姿の戯画
ひょうたんにまねき入れたる矛盾は
解決することの無意味と
あきらめることのいさぎよさ
ねんにはねんがいって
この時代ねんは鮎で
鯰にいたる前の公案禅
とらえどころのない
ようりょうをえない
ヒョウタンナマズの言葉の由縁
これをしるものは
ひょうたんで なまずをおさえ
ついにはのまれることになる
いかに のみこむなまずとて
おおあくび
のどのおくにみえたのが
ひとのみにされたのどぼとけ
おおぎで顔隠すお姫様
飲み込まれたのは
でくの坊ではなく
ぼうずめくりの生臭坊主
百人一首のかるたには
役者がいちまいたりないほどに
みず辺の笹竹が笹笛をふき
歌詠みたちが
お姫様の手のなる方へ
かしずいては
きょくすいえんの宴に興じた
コメント