【ヴィーナスの永遠】西に傾きかけた 夕日  垂れ絹が降り 帳が夜 場末の酒場のジュークボックス 旅はいつか終わるけれど チュニジアの夜が レコード盤の上を踊るダイヤ針

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月の 満ち欠けが
ないものの 正体を思い出す
ジャンヌダルクの はだけた胸が
隠された 怒り いきどうり
不条理の旗を振る
サミトラ島の ミケのかしら
寄るべない 者たちの
吐息が 聞こえる

西に傾きかけた 夕日
垂れ絹が降り 帳が夜
場末の酒場のジュークボックス
旅はいつか終わるけれど
チュニジアの夜が
レコード盤の上を踊るダイヤ針
サハラの小砂まじりの 振動音に
耳を傾けながらバーボンを一杯
グラスの縁をめぐる
ダイヤモンドリンクの
光のひとしづくが ラマダンの夜を解放する
新月に 仕込まれた 藍を思い出し
満月に織りあがる 群青の衣をまとった
ヴィーナスを夢見る
見つかったよ ヴィーナスの忘却が
本当だよ
目を閉じてごらん
女神ヴィーナスの永遠が

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