うつろう季節のはんせんに乗り
とうほくの空から
はるいちばんのあらしが吹き
春のみなとに ともずなをひき
春をつげし てんしがわたりどり
オオルリにすがたをかえる
いつもどうして
どのような ささいも
わけなく こともないよう
こころあたる ことあれば
こころざわめき
むなさわぎ おこりし ゆえん
まどろむうちに みしあさき
春のねむり夢のあやうき
ゆめのはかなさ
つわものどもおうしゅうが夢の跡
夏になんせいのやえやまの空から
だいだいのオレンジをくわえた
つばくろに姿を変えたてんしが
はねをひろげ まいおりる
うしおのひいた 遠浅の海辺を
砂地に踏み絵の影だけを残し
はるか沖のすいへいせんにみる
うきしま琉球にむかってみおを引く
もうしょ しょちゅうのしゃくねつを
つばくろの みにあびては
たましいを ほし上げる
スイグスクしゅり 琉球王朝
秋に なんせいの空から 黄金の
はねを広げた
カワセミに姿を変えし
てんしがシベリアから舞い降りる
とおくかねのねのひびく
ロシア正教じいんの
かいゆうしきていえんを
めぐる ろじから
ながめやる はるか
クリミアを借景とする
深遠なるけしきに
にわをかめぐる
あきかぜのわびしさ
あわれをつたえられ
いとものかなし
冬にせいほくの空から
てんざんさんみゃくをこえ
白いこはくちょうに姿を変えた
てんしがまいおり
てんそんの
いのりをささげる
空からふりしものは
てんからのてがみ
てんからのてがみはゆきを
ことのはのけっしょうに
すがたをかえ
しぜんのいしを伝える
てんから ふりしものは
しぜんのさんぶつおくりもの
かみむすひのかみからの
いただきもの
ゆきのふりにし
ざいしょに
しゅくふくの
めぐみのあらんことをいのらん
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