PCゲームプラットフォームSteamを運営するValveは、2019年6月に発売したPC向けVRヘッドセット「VALVE INDEX(バルブ・インデックス)」の国内発売を決定しました。
本記事では、VALVE INDEXの特徴やスペックなどを改めて解説するとともに、国内価格や販売情報なども合わせて紹介します。
目次
1.VALVE INDEXとは
2.VALVE INDEXの注目ポイント
2-1.解像度やリフレッシュレート
2-2.5本の指を認識するコントローラー
2-3.耳に密着しないヘッドホン
3.VALVE INDEXの価格・購入方法
4.VALVE INDEXの製品スペックやPCの要求スペックは?
5.他のPC系VRデバイスと比較するとどう?
VALVE INDEXとは
VALVE INDEXは、Valveが開発したPC接続型のVRヘッドセットです。2019年3月末に発表され、同年6月28日に海外発売されました。ValveがHTCと共同開発したVRヘッドセット「HTC VIVE」のように他社との提携によるものではなく、Valve独自のデバイスとなります。
大手PCゲーム配信プラットフォームによる独自デバイスであること、またVRユーザーにとって魅力的なスペックを備えていることから、大きな話題となっていました。日本は発売時点での販売対象国に含まれていませんでしたが、11月22日、日本発売が決定したことで再び注目が集まっています。
VALVE INDEXの注目ポイント
解像度やリフレッシュレート
Indexの解像度は1,440×1,600(両目2,880×1,600)、最大144Hzのリフレッシュレートを持ち、一般向けに販売されているPC向けVRヘッドセットの中でもトップレベルの性能です。リフレッシュレートは80Hz、90Hz、120Hz、144Hzと多くのバリエーションに対応しており、Valveの担当者によると「PCの性能によって変化する」とのこと。
ディスプレイはフルRGBのLCD(液晶)を採用、視野角はHTC VIVEやOculus Riftよりも20度広い130度。さらに物理的なIPD(※)調整機能も備えています。
(※IPD……瞳孔間距離/InterPupillary Distanceの略。両目の瞳孔の間の距離のこと。VR体験において、瞳孔間距離とレンズの間隔がずれている場合、眼精疲労等の原因になりうると考えられている。調整できると嬉しい項目)
5本の指を認識するコントローラー
VALVE INDEXの新型モーションコントローラー「VALVE INDEX コントローラー(旧名称:Index VR Controller(s), Knuckles)」は、コントローラーに搭載されたセンサーで体験者の5本の指の動きをトラッキングできます。特定の指を曲げたり1本づつ動かしたりといった自然な動作が可能です。コントローラーは布製のストラップで手と固定する仕組みになっており、コントローラーを常に握っている必要はありません。
VALVE INDEX コントローラーは30以上のVRゲームに対応(2019年7月時点)、既存のVRゲームでも遊ぶことができます。また、Index以外のSteamVR対応ヘッドセットとも使用可能です。
「VALVE INDEX コントローラー」の体験レポートはこちら。
5本の指を認識する「Knuckles」はVRに福音をもたらすか? 開発者版体験レポ
MoguraVR
耳に密着しないヘッドホン
VALVE INDEXのスピーカーは耳に密着させず、やや離れている「オフイヤー・ヘッドフォン」が採用されています。体験者の頭と耳の形状を問わず、自然かつ立体的に音響を提供するようにデザインされています。
VALVE INDEXの価格・購入方法
VALVE INDEXの製品ラインナップは以下の5つ。一式揃った「VALVE INDEX VRキット」や、ヘッドセット・コントローラー・ベースステーションそれぞれを単体で買えるラインナップも存在します。
(※各種電源ケーブルなどの同梱物については、下記表では省略しています)
ラインナップ名 |
内容物 |
メーカー希望小売価格(税別) |
VALVE INDEX VRキット |
・VALVE INDEX ヘッドセット×1 |
125,800円 |
VALVE INDEX ヘッドセット+コントローラー |
・VALVE INDEX ヘッドセット×1 |
94,800円 |
VALVE INDEX ヘッドセット |
・VALVE INDEX ヘッドセット×1 |
62,800円 |
VALVE INDEX コントローラー(左右セット) |
・VALVE INDEX コントローラー×2(左右1つずつ) |
35,800円 |
VALVE INDEX ベースステーション |
・VALVE INDEX ベースステーション×1 |
19,800円 |
また、「VALVE INDEX」の予約受付サイト、販売店舗は以下のとおりです。
web通販
店頭販売
・株式会社サードウェーブ(ドスパラ)
・株式会社ProjectWhite(ツクモ)
・株式会社ユニットコム(パソコン工房・グッドウィル)
・株式会社ZOA(ZOA・OAナガシマ・パソコンの館)
VALVE INDEXの製品スペックやPCの要求スペックは?
VALVE INDEXのスペック、および使用する際のPCへの要求スペックは以下の通りです。
VALVE INDEXのスペック
ディスプレイ |
1,440×1,600×2(2,880×1,600) |
フレームレート |
80Hz / 90Hz / 120Hz / 144Hz |
視野角 |
最大約130° |
IPD調整 |
58mm~70mm(物理調整) |
接続 |
USB 3.0、DisplayPort 1.2、12V電源 |
トラッキング |
SteamVR 1.0および2.0 |
オーディオ |
ヘッドホン一体型、マイク搭載 |
フロントカメラ |
ステレオRGBカメラ 960×960 |
要求スペック
Indexに接続するPCの要件を満たしているかどうかは、Steam内のIndex製品ページにある専用アプリで簡単に確認できます。チェック方法は「準備はOK」をクリックして専用アプリをダウンロードし、アプリ起動後「Check」を押すだけで完了です。
最低要件 |
推奨要件 |
|
OS |
Windows 10、SteamOS、Linux |
Windows 10、SteamOS、Linux |
プロセッサー |
デュアルコア(ハイパースレッディング含む) |
クアッドコア以上 |
メモリ |
8GB以上 |
8GB以上 |
グラフィック |
・NVIDIA GeForce GTX 970以上 |
NVIDIA GeForce GTX 1070以上 |
USB |
・DisplayPort 1.2以上 |
・DisplayPort 1.2以上 |
他のPC系VRデバイスと比較するとどう?
Indexの比較対象となる現行のPC向けVRヘッドセットは「Oculus Rift S」や「VIVE Pro」などが考えられます。3つのVRヘッドセットを比較すると、解像度やリフレッシュレートなどスペックなどでIndexが優位です。
Oculus Rift S |
VIVE Pro スターターキット |
VALVE INDEX |
|
解像度 |
2560×1440 |
2880×1600 |
2880×1600 |
ディスプレイ |
LCD |
OLED |
LCD |
リフレッシュレート |
80Hz |
90Hz |
80/90/120/144Hz |
価格 |
49,800円(※税込) |
フルセット:133,000円(税別) |
フルセット:125,800円(税別) |
しかし、VALVE INDEXのフルセットは125,800円(税別)。 Rift Sは外部センサーが不要なのでVALVE INDEXよりも手軽にVR体験ができ、価格は49,800円(税込)とフルセットの半分以下となっています。性能面ではIndexが上を行くので「安価でPC向けVRゲームを遊びたい人はRift S」「最高のVR体験をしたい人はVALVE INDEX」となりそうです。
Moguliveでは「VALVE INDEX」の体験レポートや最新ニュースを掲載しています。
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