にじさんじの動向を月ごとに振り返る連載「にじさんじを追う!」。「リングフィットアドベンチャー」の流行やポケモン剣盾杯など、11月も話題に事欠かなかったが、どんなトピックがあったのか、事細かに振り返っていこう。
【11月のトピック】相次ぐ新人ライバーたちのデビュー
「赤の組織」活動開始
10月末にデビューし、11月3日(木)に初配信を行ったのは、えま★おうがすと、ルイス・キャミー、魔使マオ。早速「赤の組織」というユニット名がつけられた3名それぞれのデビュー後の動きを見てみよう。

【初配信】はじめまして、えま★おうがすとです。【にじさんじ】
Twitterアカウントの現在地が「森中花咲のワンルームマンション」に設定されていたことが話題となった魔王、えま★おうがすと(2477歳)。好きなVtuberは懲役太郎とフィンダーおじさんだそう。
デビューのきっかけは、実家で弟に命を狙われ、城を焼かれたところを飛び出てきたところを、知り合いであった森中花咲の家に2~3ヶ月ほど居候することになったためである。実は森中花咲が以前からTwitterや配信で話題にしていた友人というのが、彼女だった。
突然深夜に友人から送られてきたミリしらが頭おかしくて脳の整理が追いつかない
とりあえずにじさんじの方達本当にごめんなさい pic.twitter.com/yinRxOt911— 森中花咲 (@KazakiMorinaka) May 31, 2019
初配信後まもなく「【ド変態】みんなのドMエピソード【えま★おうがすと/にじさんじ】」という配信を行い、中山晋平の楽曲をBGMに、官能小説の大家・団鬼六について語り始めるなど、非常に濃厚なパフォーマンスを見せた。しばらくは森中花咲とコラボすることが多くなるとのこと。独特な知的センスが今後どう活かされるのか楽しみだ。
【初配信】女怪盗ルイス・キャミー【にじさんじ】
仮面を被った女怪盗としてデビューしたのがルイス・キャミー。怪盗のデビューに名探偵が大興奮する一幕が見られた。正体不明・年齢不詳の女性で、マスクも数種類持っている。性格はおっとりしており、落ち着いたしゃべり方だ。
しかし、初配信前に赤の組織で通話をしていた際に寝落ちしかけたり、自転車に乗れなかったりと、マイペースな一面を見せるエピソードを披露した。怪盗であるため、謎解きマシュマロが届くこともしばしば。謎解きゲーム「RiME」の配信では戸惑ったりしながらも進む姿が見られる。今後、名探偵とはどのようにコラボするのか気になるところだ。
【初配信】どかーんッ!魔使マオだよ!!【にじさんじ】
魔女の使い魔である魔使マオ。耳のようなリボンとツインテール、そして褐色肌が特徴的なライバーだ。初回配信から初めてとは思えないほど卓越したトークで、視聴者を自分のペースに持ち込んだ。ハイテンションとずば抜けて明るいキャラが目立つ一方で、緊張をほぐすために奨められたたき火をベランダでしようとするなど、抜けた一面も見られた。
SMC組の告知動画を作ったり、3Dモデリング配信や、動画編集ソフト(AviUtl)の解説配信をするなど、技術的な知識も豊富で、リスナーに丁寧に教えている姿も見られる。
「夜王国(ナイトキングダム)」登場
そして、11月末にデビューが告知されたのがグウェル・オス・ガール、不破湊、白雪巴の3名で、グループ名は「夜王国(ナイトキングダム)」。初配信は11月30日(土)で、統合後としては初の女性1人、男性2人のデビューとなった。
【初配信】グウェル・オス・ガール 爆誕【にじさんじ】
公式から司会役と銘打たれてデビューしたのがグウェル・オス・ガール。サングラスをかけたオールバックのエルフで、ファンを「いい友」と呼ぶ。名司会らしく、尊敬するライバーは夢追翔。同じエルフの花畑チャイカに挨拶したところ「いいよ」とだけ返されたそうだ。
「イベント司会をしたい」という夢のもと、さまざまな企画に挑戦する予定である。デビュー2日目には早速、にじさんじライバー92人を五十音順に答えるチャレンジに成功、その後MAXENDを食すなど、今後も期待したい新人だ。
【初配信】初めまして。白い雪に巴と書いて白雪 巴です【にじさんじ】
「清(セン)シティブお姉さん」「夜王国の女王」を名乗る女性ライバー・白雪巴。ハイヒール無しで身長が174cmと、女性ライバーの中ではもっとも長身である。
先天的にサディスティックな気質らしく、異性関係が主従関係になるため結婚できないと語っていた。一般雑談に加えて、サディスティック・マゾヒスティックに関しての雑談(SM雑談)を企画しているそうだ。
【初配信】はじめまして!バーチャルホストの不破湊です!【にじさんじ】
司会、ドSお姉さんと濃く続いて現れたのがバーチャルホスト・不破湊。最初からパリピ感満載のミラーボール待機画面に始まり、CLUB PRINCE「LOVEどっきゅん」を自作オケで再現、MVまで付けて登場した。ホストではあるものの、飲み過ぎで肝臓を壊して禁酒しているようだ。配信では動揺している姿も見られたが、そういった点含める楽しめる初回配信となった。
11日5日(日)アイドルに必要なものは歌唱力と体力……!
【まったり】たのしく大冒険とトレーニング!!!【相羽ういは/にじさんじ】
10月18日に任天堂より発売された「リングフィットアドベンチャー」。発売日にホロライブゲーマーズが4人で約10時間、交代しながら配信した後、配信業のためか運動不足に陥りがちなVtuberたちが続々とプレイを開始。一世を風靡するゲームとなった。
配信1時間後で疲れ切るVtuberが目立っていた中で、何故か長時間配信になってしまったのが相羽ういはだった。意気揚々と雑談をしながらニートゥチェストやスクワットをこなし、息も切らさずプレイした結果、配信時間は5時間半(運動時間は2時間半)を記録し、走った距離は約9km。それでもまったく息を切らさなかった彼女にリスナーは騒然となった。
他にも、リングコンの押し込み・引っ張りで一瞬で最大値を記録した樋口楓や8時間プレイした物述有栖といった猛者が現れた。どうやら配信には体力も必要らしい……。
11日8日(金)月ノ美兎、自身が声をあてたゲームに挑戦!
音ゲーをゲームキャラが自分で実況プレイする【グルーヴコースターワイワイパーティー!!!!】
11月7日に発売されたNintendo Switchソフト「グルーヴコースターワイワイパーティー!!!!」。レーン上に合わせて出現するノーツに合わせてフリックやスライドをする音ゲーで、初音ミクなどのボーカロイドに加え、電脳少女シロやミライアカリ、ヒメヒナ、月ノ美兎らがカバーする楽曲を収録している。月ノ美兎のカバー楽曲は「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」。ニコニコ世代をよくネタにしている委員長らしい選曲だ。
この日、月ノ美兎は実際のゲームに挑戦した。ミライアカリ・電脳少女シロ・月ノ美兎による楽曲「GLOOVE LOOP」をはじめ、ヒメヒナの「ヒトガタ」やもこ田めめめ「おねがいダーリン」、神楽すず「ヒューマノイド」などをプレイ。最終的に電脳少女シロのアバターを手に入れて大満足した様子を見せた。電脳少女シロも当日配信を見ていたらしく、月ノ美兎のアバターゲットを喜んでいたそうだ。
11日11日(水)社長と秋を満喫しよう!
【にじさんじ】皆さまの需要を”最速”で詰め込んだ”最強の秋満喫ボイス”を作ります【加賀美ハヤト】
ハロウィン・秋満喫とボイスを出せなかった加賀美ハヤトが開催したのが、この企画。「無料で聴けるボイスがあってもいいじゃないか」というコンセプトのもと、リスナーからの要望を取り入れてボイスをリアルタイムでプレゼントした。
とはいっても、ひとことセリフから長文まで、リスナーからの要望はさまざま。エッセンスを抽出してシナリオを作っていく彼の力量が発揮されていた。
完成したシナリオは焼き芋やサンマ、ジョギングや読書、クマとの格闘など、ぜひ一度聴いてみて欲しい。
11日13日(金)エモの伝道師、卯月コウのアドリブが光る
イッゾ 景色(それ)が見えたら、終わり。
リスナーからのお便りについて、卯月コウが心揺さぶられる良い話に、ジョー・力一が台無しにしていき、勝敗を健屋花那がジャッジするという大喜利的な企画。パロディ元は映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり」だ。
見どころは終盤のポエムリレー。3人で2順ずつ、配信のお題と回答を踏まえてポエムを詠んで繋げるというもの。最後に卯月コウが詠んだパートが「理科室の椅子、図工室のニス」。韻を踏んでいることにとに加え、その直前に「理科室の堅い椅子は青春」という自身のネタを取り入れている。「気付かないことこそ青春、当たり前にあったものこそ青春の本質」という発想は、卯月コウらしさを表した言葉だ。
11日19日(木)樋口楓の共感覚を推理できるか?
でろーん何食べたでSHOW【にじさんじ / SiiRii / ChroNoiR】
ポテトチップスを身が薄いと表現したりトマトパスタを引き算で紹介したりと、独特な食レポを披露することで有名な樋口楓。彼女が食レポした料理を、逆に当てていこうという企画。椎名唯華・鷹宮リオンのSiiRiiコンビ、葛葉・叶のChroNoiRがチャレンジした。
第1問の杏仁豆腐から樋口楓の「思い出食レポ」が炸裂。「おじいちゃんと天王寺動物園に行ったときに買ってくれたぬいぐるみのにおいを思い出した」「水酸化マグネシウムの舌触り」などのコメントに、鷹宮リオンや葛葉は困惑。叶はなんとか分析しようと試みていた。あまりにユニークすぎる表現に、ファンまでもが彼女の表現の読み解こうとする動きも見られた。
樋口さんと食レポのイメージ図 pic.twitter.com/TqErzOI8yI
— 痛恨 にじそ03でるよ (@tukonn) October 24, 2019
11日22日(土)ポケモン剣盾杯で見せた出雲霞の実力

ポケットモンスターソードシールド にじさんじ杯 第1部【#剣盾にじさんじ杯】
「にじさんじ剣盾杯」は、販売開始から約1週間後の11月23日に開催されたトーナメント式ポケモンバトルで、総勢34名のライバーが参加する大型大会となった。直前までの各ライバーの様子はこちらの記事にまとめられている。
第1トーナメント終了間際にサーバーがダウンし、翌23日(日)に第2部、24日(月)に第3部、そして29日(金)に決勝戦が行われた。巧みにブラッキーを使いこなす叶、圧倒的力量を見せ付けるふぇありすと、さまざまな名バトルが行われたが、最も注目を浴びたのは、出雲霞だろう。
出雲霞はポケモンプレイヤーとしては比較的初心者。試合パーティのコンセプトも「自分がかわいいと思うポケモン」と銘打っていた。しかし、自分のパーティの特性や対応を手描きでノートにまとめるほどの努力家で、今回は相手のパーティ編成を考えながら試合に臨んだそうだ。
(めちゃくちゃ字が汚いけど)こんな感じで全部の手持ちポケモンにある型をネットで調べてひたすら書いてました(:3_ヽ)_
旅ポケ3匹の穴を埋める為の厳選3匹なので、初戦も作戦がちゃんと通って本当によかったです…! pic.twitter.com/75jIK4LkXc— 出雲霞にじさんじの学習型AI (@ikasumi_zzz) November 23, 2019
結果、1回戦で月ノ美兎に勝利すると、難敵とされていた葛葉、優勝候補と目されていたふぇありすを次々と打ち破っていく。ついには同じOD組で、仲の良い卯月コウを下して決勝・舞元啓介戦へと駒を進めた。
決勝戦・舞元啓介はポケモンに習熟した手練れであり、「俺はヒール(悪役)だ」と宣言してバトルに臨んだ。結果は舞元啓介の辛勝。どちらが勝ってもおかしくない、手に汗握るポケモンバトルが繰り広げられた。
出雲霞が決勝戦でどうしても出したかったムシャーナの名前は「やみよの」。一方、舞元啓介を決勝まで導いたシルヴァディの名前は「ジョー力一」。それぞれの思い入れが感じられる。
結果的に舞元が勝利し、大会は終了。バトル後に悔しさを露わにするライバーが多く(悔しさを別のゲームにぶつけたライバーもいた)、彼ら彼女らがいかに負けず嫌いかが伝わってくる大会だった。ちなみに第1部は最大同時接続が6.5万人を超える規模となり、史上最高の盛り上がりをみせたことも付記しておきたい。
私は対戦とかよく解らないしチャンピオン戦も前作までみたいに1対1で観客無しのイメージが強かったけど、6万人以上の人がこうやって見守ってて全員ポケモンが出す技の一つ一つに歓声をあげドキドキ見守ってるの、本当に剣盾のジムリーダーとかリーグ戦そのものであーいいなって思う!うまく言えない!
— 郡道美玲GWボイス再販中 (@g9v9g_mirei) November 23, 2019
11月のできごとまとめ
にじさんじ公式にも動きが見られた。配信の切り抜きにうちさ氏による動画を付けた「ぷちさんじ」が配信開始したのである。うちさ氏は以前にもド葛本社や朝ノ瑠璃&あっくん大魔王の動画などを投稿しており、VTuberの魅力をかわいらしく描けるクリエイターだ。
動画投稿では、月ノ美兎が投稿した「バーチャルユーチューバーが不審者に凸されてしまった話」が衝撃的な内容だった。また若女将・小野町春香が夢追翔に師事し、司会業の訓練の為に数多のライバーとMCゲストバトルを繰り広げたり、黛灰が「リスナー達の「自信がない物真似」音声を聞く」を開催したりと、手の込んだ企画が多く見られた。
他にも、葉山舞鈴の企画「第一回にじさんじうがい選手権」や鈴鹿詩子が参加した「みどりさんといっしょ」、22日~23日にかけて行われた「さんばか24時」など盛りだくさん。外部でのコラボでは、樋口楓が天神子兎音、YuNi、富士葵と手巻き寿司を作る配信も人気を集めていた。
12月には8日に両国国技館でライブがある。おそらく年末にかけて盛り上がっていくことだろう。最後に今月の黒井しばのツイートを紹介して、この記事を締める。
是非字幕ありで楽しんでください。https://t.co/jZ5Gh2S5rS pic.twitter.com/P38eITfQxx
— 黒井しば️ (@BlackShiba_chan) December 1, 2019
執筆:Aikawa Hasma (Twitter:@arg_Aikawa_)