Roblox向け「ゲーム開発会社」の正体とは?ブランドコラボも手掛ける話題のスタジオに聞く

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海外の「Z世代」を中心に、高い人気を誇るゲームプラットフォーム「Roblox」。日本国内ではまだ知名度は低いものの、YouTube等を中心に、徐々に子どもたちの間で広がりを見せている。さらにアメリカやイスラエルといった国々では、Roblox向けのゲームを作る専門スタジオも生まれているほどだ。

今回はそんな「Robloxゲームスタジオ」Supersocial代表のYonatan Raz-Friedman氏(以下、Yon氏)にショートインタビュー。Roblox向けのゲームづくりで心がけていることから、ここしばらくで話題となっている「プラットフォーム側の手数料」まで話を聞いた。


(SupersocialのYonatan Raz-Friedman氏)

まずはSupersocialがどんな企業なのかを紹介しておこう。彼らは2020年に創業した「Roblox専門」のゲームスタジオで、Roblox上では「Ghostpia」や「Ballista」といったマルチプレイヤー向けのゲームを複数リリースしている。なお、Yon氏によれば「今後は別プラットフォームへの進出も考えている」とのことだ。


(Supersocialの「Ghostopia」。ファンタジック・ホラー系の作品で、プレイヤーは自分だけの「お化け屋敷」を作ることができる。 画像: Supersocial)

ファッションブランドやIPとコラボしたゲームも展開しており、直近では資生堂の傘下であるグローバルコスメブランド、NARS(ナーズ)のゲーム「NARS Color Quest」の開発協力も行った。Yon氏によれば、既にファッションやスポーツ、メディア分野とのコラボレーションを行い、新たなゲームの開発も複数進んでいるという。

(開発協力を行ったNARSの「NARS Color Quest」)

「ゲームプラットフォームであると同じくらいソーシャルな場」

——Yonさん、本日はよろしくお願いします。Supersocialは2021年10月に行った520万ドル(当時約5.8億円)の資金調達から半年以上が過ぎていますが、この調達はどのような影響をもたらしましたか?

Yon:
チームの規模を拡大できたことに加え、この先のロードマップを引くうえで非常に役に立ちました。今はRobloxで最も目立つようなゲームを作ろうとしているところです。既にリリースされている「Ghostopia」はその一例ですね。私たちはゲーム開発において、没入感のある世界やユニークなストーリー、グラフィック、アバターを使った自己表現が大切だと考えています。

——自己表現というと、やはりプレイヤーキャラクター、アバターのカスタマイズやファッションが主軸になるのでしょうか。

Yon:
アバターももちろんそのひとつですが、それだけに限ったことではありません。例えば「Ghostopia」では、自分だけの「お化け屋敷」を作って他のプレイヤーに見てもらうことができます。これも自己表現のひとつですよね。こういったふうに、Robloxでゲームを作る際は「クリエイティブな方法で自己を表現できる」ということが非常に重要です。

Robloxはゲームプラットフォームであると同じくらい、ソーシャルな場でもあります。美しいグラフィックやアートを提供するだけでなく、一緒にみんなで集まって何かをしたくなるようなもの、ゲームをきっかけ・理由にしてみんながコミュニケーションできるような作品を作るように心がけています。Robloxではありませんが、2020年に大成功を収めた「Among Us」はそうですね。


(画像: Supersocial)

——SupersocialはチームでRoblox上でのゲーム開発を行っていますよね。Yonさんのこれまでの経験から言って、チーム開発がうまくできる人材はどのような人だと考えていますか?

Yon:
課題解決的なマインドセットを持っていること、みんなと協力できるプレイヤーであること、そして「何かを、すごいものを、野心的なものを作りたい」という意識があること、でしょうか。チームみんなで何かを作るということが大事ですから、いわゆるカルチャーフィットも重要視しています。

もちろんこれは「一人で開発することに反対だ」という意味ではありません。実際にSupersocialでも一人で開発を行っているゲームはありますが、みんなで作った方がより遠くに行けますからね。

Robloxの手数料は、いろいろ考えれば「リーズナブル」かも?

——「Roblox」で有償のゲームや課金できるゲームをリリースした場合、多くのユーザーはGoogle PlayやApp Storeから「Roblox」をダウンロードしてお金を支払うことになると思います。これはいわゆる「Platform on Platform」で、手数料はそれぞれのストアとRobloxとで二重にかかります。これについてはどうお考えでしょうか?

Yon:
Robloxは15年以上をかけて独自のゲームエンジンや開発者向けのインフラ、そして熱意のあるユーザーや開発者のコミュニティを作ってくれました。新たな収入源になるようなものの新規開発もきちんと行ってくれています。加えて彼らはGoogleやAppleとのやり取りを全部引き受けてくれていますし、とてもフェアで協力的です。

さらに、Robloxでゲームを公開するということは、Robloxのある全てのプラットフォームにゲームが同時リリースできるということです。Roblox向けにさえ作ってしまえば、AndroidやiOS、コンソールといった分野にほとんど追加開発なしで出すことができます。全て別々のアプリとしてビルドしなくていいんです。

これらのことを考えれば、今の手数料はリーズナブルなものだと考えています。もちろん、「もらえるならもっともらえたら嬉しい」とは思いますが(笑)

——クラウドプラットフォームの利用、開発やプレイヤーコミュニティにリーチするためのコストを考えると、結果的にはリーズナブルだと。
Yon:
ええ。Robloxについては、エージェンシーやパブリッシャーというより、非常に自由な「テクノロジープラットフォーム」だと思っています。
——最後にひとつお聞きしたいのですが、YonさんはRobloxの将来性についてはどう考えていますか?

Yon:
今以上にどんどん大きくなるでしょうし、「子ども向けのプラットフォーム」といった認識を超えていくと思います。Roblox自身もより広い領域やユーザーにアプローチしようと思っていますし、非常に情熱的な開発者コミュニティもあります。

Robloxは今の「メタバース」の動きよりもずっと前からアプローチを続けていることで、その勢いをきちんと迎え撃てる立場です。長年続けてきたインフラと熱量あるコミュニティがあります。クリエイターやチームにとっては、今後もさまざまなゲームを作る機会が生まれることになると思いますよ。

(了)

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(インタビュー・執筆: 水原由紀、通訳協力: 井口健治)

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