デジタルツイン大手のMatterportが日本法人を設立、さらなる事業拡大狙う

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2022年4月14日、建築物のデジタルツイン化をサポートするMatterportは、日本法人である「マーターポート株式会社」を設立すると発表。同日、オンラインで記者会見を開催した。


(日本法人「マーターポート株式会社」の設立が発表された)

Matterportは2011年創業。建築物のデジタル化を軸にビジネスを拡大してきた。利点は内部の景観を移動しながら確認ができる「ウォークスルー」と、全体を3Dとしてデータ化して確認する「ドールハウス」の両方に対応していることだ。


(内部の景観を再現する「ウォークスルー」。4Kにも対応し、滑らかで見やすいのが特徴)


(内部を3Dデータで再現する「ドールハウス」。部屋同士のつながりなども正確に再現できる)

しかも、スマートフォンや専用機器などを使い、現場の担当者が簡単にデジタルツイン化の作業を進められるがポイントだ。スマホなどで撮影したデータはMatterportのクラウドサービスへ転送して処理され、ウェブ経由で閲覧できるようになっている。


(スマホから専用カメラまで、いろいろなデバイスを使い、簡単にデジタルツイン化ができるのが特徴)

同社は2021年にNASDAQに上場したこともあり、サービスの世界拡大を加速している。アジア太平洋地域への展開は同年から拡大、今年は日本法人を設立する。


(Matterportは2011年にアメリカで創業。昨年はNASDAQに上場、日本法人を今年設立する)

Matterport 会長兼CEOのRJ Pittman氏は、ビデオメッセージの形で会見に参加。「2021年は、弊社にとって改革の年。NASDAQに上場し、リーディングポジションについた。ここから大きく飛躍するためにも、日本のように可能性にあふれた市場にサービスを届けるために日本法人を設立した」と話す。


(Matterport 会長兼CEOのRJ Pittman氏)

アジア太平洋地域を統括する、Matterport・アジア本部マネージング・ディレクターのBen Corser氏も、ビジネスの状況を次のように説明する。


(Matterport・アジア本部マネージング・ディレクターのBen Corser氏)

「昨年(2021年度)は売上高が141%の成長となり、アジアでも展開も始めた。日本はとても成長が期待される市場で、重点投資をしていく。この地域の全ての建物をキャプチャする、くらいの勢いで、事業を加速して行きたい」


(Matterportの現況。顧客数は順調に増えており、日米を含む177カ国以上で使われている)

日本国内でも使用例はすでに多い。例えば三菱地所レジデンスでは、全国のモデルルームの中をデジタルツイン化し、案件の獲得に生かしている。しかも、作業は現場担当者ができる程度の難易度だ。従来、同社ではデジタルツイン向けのデータ化を外部事業者に委託していたが、それを内製化することで、撮影したその日のうちに後悔することも可能になったという。外注していた時には同じ作業に1週間かかっていたというのだから、その効果のほどが分かる。

また、竹中工務店は施設の管理や施工検査に利用している。現地に赴くことなくデザインや空間の状況を把握できるほか、建設の最終段階で、天井が塞がれる前の空調や配管の状況、機械室の状況をMatterportで撮影しておき、15年・20年後の修繕・改修工事の際に、現地調査を 行うことなく工事計画を進めることを想定しているという。

自動で全体をキャプチャする「Matterport AXIS」も市場投入

この種の作業はiPhoneやAndroidなどのスマホ+Matterportアプリで行われるが、さらに今回の日本法人設立と同じタイミングで、海外で市場投入されている「スマホをつけて自動的に全体をキャプチャする雲台」こと「Matterport AXIS」の日本市場投入も行われる。価格や正確な市場投入時期は未定ながら、5月中旬以降、1万円台で販売される予定だ。Matterportの顧客は企業が中心だが、「Matterport AXIS」は個人でも購入できるようにするという。


(スマホでのデジタルツイン製作をよりスムーズにするための自動雲台「Matterport AXIS」が日本市場投入。5月中旬以降、1万円台で販売される予定だ)

Matterportの日本でのビジネスは2017年から行われている。主に不動産関連企業で、各種物件の内覧などに活用されており、事例も数多い。前述の三菱地所レジデンスの例もその1つだ。

では、法人設立前と後ではどう変わるのだろうか? マーターポート株式会社の執行役員社長である蕭 敬和(しょう けいわ)氏は、「全国へのビジネス拡大」がポイントと説明する。


(マーターポート株式会社 執行役員 社長の蕭 敬和氏)

従来、同社のビジネス案件を手掛ける代理店などは東京を軸に集中していたという。蕭氏によれば、日本でのビジネスは2019年から2021年までで4倍に拡大するなど好調のようだ。それをさらに加速するために、代理店・SI事業者などと提携し、全国へと販売網を広げる。蕭氏は「あと3年で全国に浸透させたい」と語った。


(日本法人設立の主な理由は「市場拡大」。関東圏以外に代理店網を拡大、いろいろな地域の企業との連携を強めることを目指す)

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