進化を遂げた傑作機 VRヘッドセット「HP Reverb G2」ハンズオン

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2020年も何種類ものVRヘッドセットが登場しました。その中でも、年内発売はかなわなかったものの注目を集めているのがHPのReverb G2です。

Oculus、SteamVRなどのように対応プラットフォームで分類すると、最近少し影が薄くなったWindows MRのデバイスです。2017年に数多くの機種が登場したWindows MRデバイス。MRという名前を冠していますがその実、マイクロソフトが規格を提供してPCメーカー各社が製造したPC向けのVRヘッドセットです。

中でも、HPが2018年に発売した「Reverb」は、当時のハイエンドVRヘッドセットすら凌駕する「片目2K」という驚異的な解像度を誇りました。その後継機種として発表されたHP Reverb G2は、その高解像度はそのままに、Valveとの共同開発によって、全体的な使い勝手や装着感も改善し、大きくパワーアップしたことが報じられたことで話題となりました。

本記事では、国内発売前(※)のこのReverb G2を先行体験し、その性能や使い勝手などをレビューします。

※2020年12月末時点、2021年1月28日(木)販売開始予定とされています。

内容物確認

こちらがヘッドセット本体になります。全体的なシルエットは初代と変わりませんが、ヘッドストラップやイヤーオフスピーカー、正面部の素材など、細かな差異が見られます。

特徴的なのが、正面と側面に設置された計4つのインサイドアウト用カメラ。初代の2倍設置されたカメラによって、トラッキング性能は従来よりも向上しているというのが、Reverb G2のセールスポイントのひとつになります。

こちらはコントローラー。Windows MR標準コントローラーから、Oculus Touchに近しい形状の新型コントローラーへと変更されています。操作体系は同一ですが、手によくなじむようになっていて、従来よりも操作感は良好です。

Valveと共同開発されたことで話題になったReverb G2ですが、そのValveが手掛けたVALVE INDEXと並べてみたところ、全体的にとてもよく似ていることに驚きました(左:Reverb G2、右:VALVE INDEX)。スピーカーや後頭部パーツはとても似通ったパーツとなっており、フェイスマスクはほとんど同一素材かと思われます。

ただし、ダイヤル方式で頭部に固定するVALVE INDEXと異なり、Reverb G2は初代と同様、頭頂部と側面部のマジックテープで固定する方式を採用しています。逆にIPD調節は、Reverb G2からはVALVE INDEXと同様にヘッドセット本体側で行えるようになっており、無段階調節に対応しているため多くの人にフィットします。ヘッドセットそのものの重さについては、Reverb G2の方がだいぶ軽めです。

上記にてご紹介したヘッドセットとコントローラーに加え、接続ケーブル、充電ケーブル、Mini DisplayPort変換アダプタ、USB-TypeA変換アダプタが内容物となっています。これらが収められた外箱は、初代のそれよりも幾分か小さくなっており、若干取り扱いやすくなっていたのも印象的です。

セットアップ

セットアップの流れは初代と同様に、PC本体と接続すればほぼ完了します。

大きな変更点として、本体との接続ケーブルは、ヘッドセット本体からも独立しました。このためまずはヘッドセット側にケーブルを接続し、その後PC本体へと接続する、というような流れとなっています。この方式に変わったことで、未使用時はケーブルもヘッドセットから外しておくことで、さながら一体型ヘッドセットのようにコンパクトに収納することができるようになりました。

PC本体との接続は、デフォルトではDisplayPortとUSB-TypeCになっています。お使いの環境によっては、付属の変換アダプタを使用することになるでしょう。今回のハンズオンでは変換アダプタを2種とも使用しました。一方、コントローラーは従来どおり、PC本体とBluetoothで接続するようになっています(本体にBluetoothが搭載されているかは要確認です)。

接続してからは、Windows MR共通のセットアップ手順を実行すれば完了です。このあたりは初代Reverb同様、迷うことなく進められるはずです。

さようなら、スクリーンドア

Reverbといえば驚異的な画質。初代は片目2K(2160×2160ピクセル)という破格の解像度を誇り、とても鮮明な映像が体感できました。そのスペックはそのままに、改良されたレンズによってコントラストと明るさが増している……とされているのがReverb G2です。

ではその見え方はどうかと言えば、言葉に偽りなし。スクリーンドアはもはや皆無といっても過言ではなく、発色が初代以上に鮮明になりました。視野角こそ従来通りやや狭めなものの、映像の鮮明さがより強く感じられることで、いよいよ肉眼と大差のない見え方をするようになっていました。「the Blu」で検証した際には、とにかく映像の見え方が心地よく、ヘッドセットを外したあとにはどこか気持ちよさすら感じられるほどでした。細かな文字もはっきりと読み取れる、圧倒的な高解像が実現していました。

また、VALVE INDEXと同様のオフイヤースピーカーを採用したことにより、音声の聴こえ方もとてもナチュラルになりました。耳に接触しないことで装着感も良好になり、視覚のみならず聴覚も心地よいものになっています。加えて、ヘッドセット重量はVALVE INDEXよりも軽く、重心バランスも良好なため、特に首周りへの負担が少ないように感じられました。

全体的なトラッキング性能は、初代と比較するとかなり改善しています。コントローラーは上下左右へ大きめに振ってもトラッキングは外れにくくなっており、コントローラー自体がVR内でブレる頻度も減っています。ヘッドセット側もトラッキング精度が向上したおかげか、視点が突然ブレることが少なくなり、かなりストレスなく操作することができます。さすがにVIVEをはじめとしたLighthouse規格のアウトサイドイン方式には敵わないものの、普段使いには問題ないレベルです。

しかしながら、そのハイスペックゆえか、Intel Core i7-8750とRTX2070 MAX-Qを搭載した今回の検証用マシンでは、時折動作が不安定になる場面も見られました。特に「Beat Saber」はかなりカクカクに……「Half-Life: Alyx」は問題なく動作していたため、純粋な相性の問題かもしれませんが、初代Reverbと同様に、動作の際には十分なマシンスペックを確保する必要がありそうだと感じられました。

進化を遂げた傑作機

約5万円とは思えない圧倒的な解像度が自慢だったHP Reverbの後継機として、HP Reverb G2は正当進化を遂げていました。持ち味だった高解像度はさらなる磨きがかかり、音響の面ではイヤーオフスピーカー、トラッキングの面では4基のカメラによって、これまで平均レベルだった箇所もレベルを大きく上げています。

これまで玉石混淆とされてきたWindows MRの中でも、そのクオリティは抜きん出ており、並み居るハイエンドVRヘッドセットと優に肩を並べ得る存在になっています。とりわけ、グラフィックを重視したい人にとっては、VIVE ProやVALVE INDEX以上におすすめできる一台であることは間違いありません。これほどの性能を誇りながら、価格は59,800円(税抜)とだいぶ抑えてあるのも、初代Reverbと同様に見逃せないポイントです。

ただし、これだけのハイスペックを十全に発揮するためには、ハイエンド相当のPCはほしいところです。また、初代から大きく改善されたとはいえ、トラッキング精度については他にゆずるヘッドセットが存在すること、SteamVRにもオフィシャルで対応しているとはいえ、ベースとなるのはややクセのあるWindows MRシステムである点も、留意するべきでしょう。

ある程度は人を選ぶところがあるとはいえ、並み居る競合ヘッドセットを超えるすばらしい魅力が備わっています。HP Reverb G2は間違いなく傑作機と言えるでしょう。

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