「VTuberの世界」で追い求めたいこと エハラミオリロングインタビュー

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今年の5月15日、突如開設が発表された「447 Records」。「キャラクターと音楽」にフォーカスした音楽事務所で、若手クリエイターのフックアップを目的に活動中です。現在はバーチャルシンガーのヨシナさん、蒼乃ゆうきさん、柚子花さんの3名が所属しています。

事務所開設と同時に、YouTubeチャンネルに24時間ストリーミングラジオ「447 Music Radio – for virtual fans」が発表。江戸レナさんやミディさん、式部めぐりさん、高峰伊織さんといったVTuberをはじめ、VTuberに関連したアーティストの楽曲が配信されています。

447 Music Radio - for virtual fans

447 Music Radio – for virtual fans

YouTube

そんな「447 Records」が、6月20日(土)12:00より活動資金を募るクラウドファンディングを開始。今後の活動の維持やアップデートへの協力を呼びかけています。

・「447 Records」クラウドファンディング
今回はこのプロジェクトの発起人であり、これまでMarpril斗和キセキさんなど数多くのVTuberプロデュースを手掛けてきたエハラミオリさんにインタビュー。「447 Records」の狙いや、今のVTuber界に関して考えていることをお聞きしました。

エハラミオリ インタビュー

――改めて、エハラミオリさんの自己紹介をお願いします

エハラミオリと申します。本名ですが、男です。今年で25歳になります。大学生くらいの頃からほそぼそと作曲をしており、VRアイドル「えのぐ」との出会いでVTuberの世界に飛び込みました。プロデューサーという肩書きを背負っていた時期もありましたが、今はいちフリーランスの人間としてMarprilというVTuberに携わったり、作曲家として楽曲制作をしたりしています。

――447Recordsを立ち上げたことについての経緯について教えてください。

奇しくも、昨今大きな社会問題となっている新型コロナウイルス感染症がきっかけになりました。元々僕が個人でやっていた「Yoshina Project」というものがあるのですが、正直な話今まで仕事が忙しくて中々Yoshina Projectに力を注ぐことができない状態が続いていました。時間が無かったわけではなく、会社という空間で働いているという状況それ自体が社会経験の浅い僕にとって体力を使うものだったり、実制作にもかなり噛んでいる為、余力が無かった、というのが正確です。

僕は何か新しいことを始める時、実制作よりも遥かに「考え事」に時間を割いてしまう人間です。少し変な方向に話が飛びますが、僕の持論として「何をするかより何をしないか」というものがあります。他の方々がやっていることを真似して活動したり、目の前の話に飛びついて活動していくことももちろん大事ですが、このVTuberという狭い世界は良くも悪くも自分の活動が一定の層に認知されやすいようになっています。

その中で少しでも抜きんでていくためには、まずは他と同じことをあまり「しない」ことがより良いファーストインプレッションに繋がり、そしてその上で何をやるかを考えることが大切だと思っています。裏を返せば常に「何をするか」が中々出てこない状態になります。そのため、僕はとにかく考え事をしている時間が長いです。

コロナによる自粛期間によって、僕にはある程度の「考え事」をする時間ができたのです。その結果、前からやりたいと思っていた「事務所の立ち上げ」に踏み切るところまで到達しました。

そもそも何故事務所を立ち上げたかったのか、という話ですが、前述した通り僕は一介のフリーランスであり、大きな資産を持っているわけではありません。しかしながら、僕はこれまで、VTuberという文脈に囚われて苦労している人をたくさん見てきました。せめて僕の手の届く範囲だけでも力になりたかったのですが、今の自分にはどうしようもないことも強く実感していました。その為、事務所という形態で仲間達に協力してもらうことが必要だと思ったんです。

そこで、「Yoshina Project」を前身とした音楽事務所である「447 Records」の設立に至りました。もし僕がYoshia Projectをやっていなかったとすれば、この決断には届かなかったと思います。またこの企画を受け入れてくれたヨシナにも凄く感謝しています。

――447 Recordsは「キャラクターと音楽の在る空間」をキーフレーズとして掲げています。こちらについて、意図や想いなどありましたらお聞かせください。

自分で言うのもなんですが、「演者ではない存在」の中では、僕はこのVTuberという世界をかなり色濃く経験してきた人間だと思っています。だからぶっちゃけて言うと、ある程度VTuberのことが苦手なんです(立場上色んな側面を見てきたので)。

しかし根源的に拒絶できないのは、単純に僕がアニメや漫画、音楽が好きという平凡な趣味の持ち主だからです。その根源的な「好き」をVTuberという世界で追い求めたいと思った時、VTuberを一度「キャラクター」という位置づけで見てみることが必要なのではないかと考えました。

VTuberが「キャラクター」の発展形であることは重々承知していますが、初心に返るというか、VTuberを知ってこそ「キャラクター」という言葉に今一度向き合いたくなったんです。「音楽」に関しては元々自分の土俵であるとして、そこに「キャラクター」という言葉を置くこと自体が価値ある挑戦に繋がるのではないかと思っています。

――447 Recordsでは現在24時間ラジオ配信をされていますが、どのような着想や狙いがあって開始されたのでしょうか?

コロナによる自粛期間中、とりあえず部屋で流しておける作業用BGMが欲しいな、と考えていたんですが、僕は個人的にDJとかやってるわりに音楽アプリでプレイリストを作るのが何故かすごい苦手なんです。なのでとりあえずChilled CowLo-fi hiphop radioを流している時に、「これ頑張れば作れるんじゃないか?」と。すぐにYoshina ProjectのSlackで「VTuberが背景に登場する24時間ラジオがあったら面白いのではないか」と発言したら、仲間達がノリノリで協力してくれて。Chilled Cowをベンチマークに設定して、色々ブレストしました。

始まりは些細なことだったのに、制作している内にこのラジオのメリットや可能性が見えてきたのが何よりモチベーションに繋がりました。特にわかりやすくユーザーから反応をもらっているのがBotによる曲情報のコメント機能です。447 Music Radioでは、今流れている楽曲の情報をまとめたページがBotによってコメントされ、ユーザーはそこから2クリック程度で楽曲のYouTubeリンクや販売リンク、アーティストのTwitterなどに辿り着けるようになっています。

VTuberファンは楽曲に対する購買意欲がとても高い印象があるので、ユーザーにとってこの機能が評価されているのはもちろんのこと、アーティスト側にもファンの獲得・楽曲販促といったメリットがあり、447 Recordsとアーティストの間にWin-Winな関係を築くことに成功しているという実感があります。視覚的な部分は447 Recordsが担保している為、良くも悪くもアーティストは楽曲のみで評価されるという特徴もあります。

また、背景に「ディスプレイ」を置き、広告の場としたのもかなり面白い発想だったと思います。この機能に関してはまだあまり反響は見られていないですが、同時視聴者数が増えていけばその価値を発揮するのは間違いないはずです。とにかく機能面に関してはエンジニア陣がひたすらに頑張ってくれました。感謝。

現在の447 Music Radioは「部屋」という空間の中でヨシナ、ゆうき、柚子花がそれぞれの時間を過ごしています(背景イラストはらいつさん、キャラクターイラストとアニメーションは水井軒間さんが担当しています)。これが447 Music Radioならではの独特な雰囲気を生んでいて、これからどんなアップデートをするか考えているだけで楽しくなります。

――今回、なぜクラウドファンディングをはじめられたのでしょうか? そのお考えをお聞かせください。

447 Recordsは現在資金源が全くありません。チャンネルの収益化も相当先になることが予想されるため、活動の初期資金にさせて頂きたく、現在クラウドファンディングを開催中です。集まった資金を元に、シンガーの楽曲プロデュースやラジオのアップデートを行う予定です。

何卒ご協力のほどよろしくお願いします!制作自体はできる限り先行して進めているので、コンテンツをお届けするのに長い時間お待たせすることは無いかと思います。

――エハラミオリさんがこれから新たにやりたいことは何でしょうか? また今後の課題などあればお聞かせください。

新たにやりたいこと、今後の課題、どちらも無数にある状態です。瞬間的な数字を別にすると、ラジオの平均的な同時視聴者数は100人前後に落ち着いていて(そんな人数が開きっぱなしにしてくれていると思うとそれでもすごいことですが)、「作業用BGM」としての価値をさらに高めていかなければならないと感じています。

もちろん瞬間的に視聴者が増えるような企画も検討しています。これを言ってしまうと元も子もないですが、やはりチル系のラジオは強い!だからこそポップスが流れるラジオとして行けるとこまで行ってみたい、挑戦してみたいという気持ちがあります。

「何故VTuber楽曲なのか?」という理由づけもしっかり見せていかなければなりません。そこが上手くいけば、「VTuber」という割と何でもアリの世界で自然に構築された一つの新しい音楽カテゴリがより形の見えるものになるはずです。

そもそも447 Music Radioは447 Recordsにとって数ある活動の一つでしかありません。それでもやりたいと思ったのは、これがいつか収益源になれば、シンガーに対して、シンガー自身の数字や収益を気にせず予算をあてられると考えたからです。これはチーム全体のモチベーション向上にも直結する本当に大事なことだと思います。最終的にはVTuberという土俵でもしっかりと戦えるような構造を作ることが大きな目標です。

そして、いつかは、僕の周りにいるVTuberさん達が思いきり活動に打ち込める場所を創れたら、最高です。

――ありがとうございました。
「447 Records」クラウドファンディングの詳細はこちら

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