【全文書き起こし】XR Kaigi2019基調講演「XR作戦会議〜未来に向けて何をすべきか?」(後編)

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(左から川島 優志氏、近藤“GOROman”義仁氏、水口哲也氏)

2019年12月3日・4日東京秋葉原にて、国内最大級のVR/AR/MRカンファレンス「XR Kaigi」が開催され、基調講演「XR作戦会議〜未来に向けて何をすべきか?」ビジョナリートークが行われました。

XR黎明期を支えたNiantic,Inc 川島優志氏、株式会社エクシヴィ近藤“GOROman”義仁氏、enhance水口哲也氏、本誌編集長の久保田瞬が登壇し、XR業界の第一線で現在進行中の事例を紹介。またXRにおける日本の強みや求められるものについて「つながる・共有する・高め合う」をコンセプトにXRの過去から未来について語りました。

前編の記事は、こちら。

目次

1. コンテクストを共有、おとぎの国、日本の力
2. 好奇心でVR/ARツールを使いこなせ
3. 2020年から2025年を視野に本気のXR対談
4. 無限に拡張するXR体験を創造せよ
5. 屍を乗り越え、未来は作られる

コンテクストを共有。おとぎの国、日本の力

すんくぼ:

前半では未来の話をしてきましたが、グローバルを視野に入れて、XR分野で日本の強みについて語っていただけますか?

川島:

僕はサンフランシスコベースなのですが、「Media Ambition Tokyo(MAT)」の際に、T&S;さんに六本木ヒルズの「Pokemon GO AR展望台」を制作していただいたんです。その試作段階で僕は感動しちゃって。それで、HoloLensを通してスマホで撮った映像に一言「TOKYO」って書いてSNSに投稿したら、グローバルからいろんな反応がありました。

TOKYO.#PokémonGO #AR展望台 #MediaAmbitionTokyo pic.twitter.com/v7HdhxMuxz

— 川島 優志 masa kawashima (@mask303) February 21, 2019

(六本木ヒルズ「Pokemon GO AR展望台」HoloLensを通してスマホで撮った映像)

「さすが東京だね」って(笑)。東京って海外の人も一回は行ってみたいオリエンタルな、くも悪くも何が起きてもおかしくない不思議な国。おもしろいことをやっても東京なら許されるみたいな。この先人たちが積み重ねたものを生かしていけるっていうのは、大きな強みじゃないかな。

目の前に広がる「ポケモンGO」や「Ingress」の世界 話題を集めた体験の舞台裏

目の前に広がる「ポケモンGO」や「Ingress」の世界 話題を集めた体験の舞台裏

MoguraVR

GORO:

僕は日本の強みはむちゃくちゃあると思っていて、一番強いのは鉄腕アトムやドラえもんとかSFやアニメのコンテクストが共有できること。MicrosoftのHoloLensを見たときに、「電脳コイルじゃん! これ電脳メガネだ」ってみんなで形容できて説明が楽なのは強みだと。

川島:

ジョン・ハンケも電脳コイルが大好きで。「これは電脳コイルだ!」って。理解できるの僕しかいなかった(笑)。

GORO:

海外では電脳コイルって知名度が低かったりしますけど、僕が会ったサンフランシスコのCEOは電脳コイルの大ファンだったり、VRゲームや攻殻機動隊とか日本だとワクワクするSF作品が多い。空間ディスプレイも「なでしこだ」みたいな。

すんくぼ:

海外作品だとマトリックスやトータル・リコールとか。

GORO:

わりとディストピアですよね。

水口:

日本古来の「やおよろず感」が魅力の源泉なのかも。海外の人々は万物に魂が宿る感覚を全員が持っているわけではないし。日本はポケモンGOのような擬人化も得意で、子どもの感覚がそのまま残り続けている。

5、6年前にポーランドで、フランス人の女の子が「私たちはフランスから日本まで歩いて行く」と言ってポーランド警察に補導される事件があって。フランス国内で子どもたちは「日本の何に魅せられているんだ」と大問題になったけど、日本は漫画やアニメの総合のイメージでおとぎの国という感覚を持たれてるんだよね。僕はこれがすごくいいと思ってて、そういう子が大人になって、日本にハッピーな感じを持ってくれたらなと。

GORO:

かわいいとかね。

水口:

そうそう。日本だと大人になっても「かわいい」って感覚を普通に持っていて、でもそれもここ10年ぐらいな気がする。これからもっと時代は変わってくるんじゃないかな。

川島:

独特な国ですよね。外に出てみると際立つというか。世界が禁煙ブームになったとき、世界中の喫煙者が日本に避難するってCMが物議を醸したんですけど、日本ならたばこが吸えるみたいな(笑)。それに日本は大人になってもコスプレができる秋葉原みたいなイメージもある。

GORO:

バーチャル秋葉原作ったらいいですよね。

水口:

海外のゲストを日本に呼ぶと人格が変わるじゃない? 日本でかわいいをいっぱい浴びると少年の目がキラキラする。

GORO:

原宿とかね。駄菓子屋とか連れて行ったら興奮して帰っていった人いますけどね。

水口:

この都市自体が不思議スイッチを入れる装置ってのは魅力じゃないかな。

好奇心でVR/ARツールを使いこなせ

すんくぼ:

次は少し閑話休題。VR/AR技術っていわばツールで、「VR/ARで何をしよう」と考えると発想が狭まりやすいです。皆さんはVR/AR以外でも色々なことに興味を持っている印象があります。いまハマっていることを趣味も含めて語ってもらえたら。

もう目に見えるかたちでガジェットを持ってきているGOROmanさんからどうぞ(笑)。

GORO:

僕自身VRが大好きなんですけど、もともと新しいものやガジェットがむちゃくちゃ好きで、クラウドファンディングのkickstarterにベンツを買えるぐらい使っているんです。でも、ほとんど届いてません(笑)。とにかく雑食、“雑ガジェット食”で特攻隊長として全部買っちゃうんです。


(深圳DJI社の「DJIロボマスターSI」)

ドローンもハマっていますし、今はプログラミング教材の「DJIロボマスターSI」という65,000円くらいの40、50代のおじさんばかりがこぞって買っているガジェットがおもしろいです。

Twitterにこのロボットと一緒に踊ってる変な動画をあげたら、深圳のDJI本社の方に捕捉されて。DJI本社ってなかなか入れないんですが、来てくれって呼ばれて(笑)。開発やMTエンジニアやマーケの方と「どうしたら日本で広まる?」ってディスカッションをして、今「ハッカソンやろう」って企画してるとこです。

僕はアイデアは組み合わせだと思っていて、何でも試して組み合わせると新しいおもしろいものがうまれるなと。実際にVR×ロボットで「プリメイドAI」というロボットを改造したりいろいろやっています。

川島:

作る人にはいい時代ですよね。3Dプリンターで作れるし、部品も買えるし。

GORO:

選択肢はすごくあるし、秋葉原ならなんでもパーツが買える。Amazonでもそろってしまう。

すんくぼ:

水口さんはいかがですか?

水口:

4年前にサーフィンを始めたんですよね。「泳げない、もぐれない、水が大嫌い」という人間が、人生1回だけでも苦手なことをやってみようかなと。最初はボロボロで、あまりの怖さと悔しさで30分くらい海岸に打ち上げられたトドのように動けなかったんです。ところがなんと今、そのサーフィンがすごく大好きなものに変わって。それが最近の学びかな。

サーフィンからいろんなことを学びますね。重力とか息が吸える吸えないを行き来するので、いろんなスイッチが入るんですよ。波待ちしているとフローやゾーンの状態なんだなって気がついたり。

川島:

「Rez Infinite」から乗ってる感、感じますよね。で、僕の話でいくと興味があるのは子育てかな。今の親は、子どもにいつどうデバイスを与えるのかについて悩んでますよね。

僕自身「ゲームは1日1時間」とルールを決められて、僕はゴミ捨て場からテレビを拾って、押入れに隠して、家族が寝た後にステルスゲームとか一晩中ファミコンをやっていました(笑)。子どもってそういうのを見つけていくけれど、デバイスが進化する中で、子どもへのデバイスの与え方や、VRなら目への影響や年齢など、心身含めた影響も気になっています。

アメリカの21歳前後の“ジェネレーションZ世代”とか、流れるSlackを見つつ、音楽を聞きながら、仕事頼むとちゃんとあがってくるんで、すごいなと。こんなマルチタスクに人間って変われるの?ってと思う自分と、いやでも(現実を)目の当たりにしてるよなって

GORO:

僕そっち寄りなんで(笑)。うちの娘は2歳のときにYouTubeの広告を5秒待って飛ばしましたからね。待つんだって(笑)。3歳の時にもGoogle Homeに「象って英語で何?」って聞いてて、「ネイティブやべーな」と。産まれたときからアレクサやGoogle Homeがあるとこうなるんだと。僕らにとってはただのデバイスなんですが、子どもたちはSiriに友達みたいに話しちゃう。

2020年から2025年を視野に本気のXR対談

すんくぼ:

VRを外した話題でしたが、ヒントが多かったかと思います。次の質問は何年後にVRが来るのか?という話と、年の瀬ですので、2020年はどんな1年になるか教えてください。

水口:

社会実装の動きと準備の段階が混在し、途中でオリンピックも挟まってくるので、いろんなことが起きて、2020年はエキサイティングな年になる気がしますね。

すんくぼ:

GOROmanさんはどうですか?

GORO:

2020年は紙のパラダイムから脱却するターニングポイントになります。今ってハンコ問題も同じですが、Windowsのカット&ペーストとかフォルダとか、紙で働いていた時代の働き方、つまり紙のパラダイムなんですよね。2020年XRの時代はやっと空間パラダイムになるのかな。

デスクトップのような机の上って概念から解放され、ホームページがなくなると思っています。ホームページはホームアバター化していき、すべての物事が対話になっていくんじゃないかな。

中国テンセントのWeChatのミニプログラムなんて、チャットですべての物事が進んでいく対話のインターフェースなんですね。今後はリンクをクリックの時代から、チャットで対話になり、やがて各企業がアバターやキャラクターを持つ時代になります。

ホームページがホームアバターに代わり、行政のインターフェースも窓口からチャットアプリやキャラクター・アバター化していく最初の年になるのかも。

すんくぼ:

川島さんお願いします。

川島:

2020年はNianticから新しいおもしろいものの発表があるので、ぜひ楽しみにお待ちください。あとは4Gを使うと3Gに戻れないように、5Gが始まりぜんぜん違うことができるようになります。GOROmanさんがおっしゃってたパラダイムシフトもそうですよね。

GORO:

昔はインターネットで動画なんて「バカ言え」みたいな時代がありましたよね。
ガビガビの動画みたいな。

川島:

ははは(笑)。2021年に向けて解放される、いい時代の始まりになると思います。オリンピックの後、日本は落ちると思われがちなんですけど、僕は実際そんなことにはならず、すごくおもしろいことが起きると明るい希望を持っています。僕は氷河期世代で就職がぜんぜんできなかった76世代なんです。

GORO:

僕も75世代(笑)。

川島:

ひどい言われ方ですが、ロストジェネレーションです(笑)。でもその代わり起業したり、新しい何かが生まれるんですよね。僕自身もそれでアメリカに行きました。考え方次第で日本にとってもいい方向になるんじゃないかな。

水口:

2025年に大阪万博がありますよね。2020年から2025年、日本はすごくおもしろい5年間になると思うんですよね。2025年にどこまで何が実現しているかはわからないけど、(AR)グラスが普通になっている時代の万博とは何か?ということですよね。

大阪万博誘致にARの「ポケモン」、経産省がコンセプト映像を公開

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MoguraVR

都市デザインや会場の設計や建築もそうだし、実際にそこに来る人の入場者数だけが本当の入場者数か?という話だったり。

GORO:

そうですよね。VR空間の来場者数とか。

水口:

世界中から参加できて、現実と情報やデータや体験が合成される世界を作ることができると思うので、そこへみなの意識や気持ちを向けていけたらいいな。

GORO:

僕の世代ではないけど、昔の大阪万博の動画で、宇宙はこうなるというパビリオンを見てワクワクしたんですよね。2025年の新しい大阪万博も、こんな日本ならあと100年ぐらい生きたいから健康になろうみたいな感じだといいな。

水口:

大阪万博を見た子どもが「次の50年、大人になったらこんなことやろうかな」ってイメージが湧いてくるものになってほしいですね。

GORO:

万博の頃、スマホいじってたらダサいとかになってほしいですよね。

川島:

なってるかもしれないですよね。

GORO:

きもいとか。

水口:

「なにそれ信じられない。何ガラスこすってんの? そんな狭い画面で見てたの。しかも2Dで」。

GORO:

だっさーみたいな(笑)。コソコソ電車で使うかもしれない。そのときはもう電車じゃないかもしれない。

川島:

ポケベル的な感じ。

GORO:

携帯だってショルダーフォンでしたからね。

川島:

みんな慣れるんですよね。AirPodsだって発売された時、「何うどん耳から出してんだ」って言ってたのに、今みんな出してる。

GORO:

今、ほぼうどんですからね。うどんの方がかっこいい感じ。むしろ高級感。

川島:

水口さんのシナスタジア・スーツを着てる方がかっこいいみたいな。

GORO:

シナスタジア・スーツを着てないとモテないみたいな。竹下通りで売りましょう。

水口:

売りますか(笑)。

川島:

あと2020、2021年だとVRの解像度も現実とほぼ変わらなくなってますよね。

GORO:

どっちが現実だったっけみたいな。Varjoが当たり前になってほしいよね。

水口:

Varjo解像度すごいよね。車をそのまま運転できてレイテンシーがないと。

GORO:

僕も3年ぐらい前にVarjoがフィンランドに引っ越したってタイミングで、デバイス見せてもらって感動したんですよね。あれを体験すると明るい未来だと思うよね。

無限に拡張するXR体験を創造せよ

すんくぼ:

未来の話が続きましたが、次のお題が最後になります。今回はビジョンの話をしていますが、PCを発明したアラン・ケイの「未来を予測する最善の方法はそれを発明することだ」という言葉があります。まさに担い手になる方々が今回XR Kaigiに集まっているわけですが、これまで深くVRと取り組んでいらっしゃるお三方に、「XRの担い手や開発者の方にどんなことが求められるのか?」というテーマでお話しいただければと。

水口:

VR/ARは視覚・ビジュアル重視で考えがちですが、XRの拡張現実や体験と考えると、人間って誰でも共感覚的にすべての感覚を使っていて、人間の本能的な何かを深掘りする「感覚に立ち返る姿勢」が作り手にも必要になると思います。

「シナスタジアX1– 2.44」って椅子型のやつなんですが、なんで2.44かというと、シナスタジア2個のスピーカーに44個の振動素子があるからなんです。この一つひとつのポッドの中に振動素子が入っていて、独立的に動きます。

ビジュアルがまったくない状態で、CNNのキャスターが「シナスタジアX1- 2.44」を体験して「ヘッドセットがないんだけど、自分の中にサンライズやサンセットが見えた」と語ったことがあって。僕はこれにすごい可能性を感じて、改めて「僕らの中にあるものをどう引き出し、より豊かで幸せにするか」という発想を常に持ちたいと思いました。

XRの技術はエロやネガティブがたくさん出たとしても、どっかで「先に進む何か」が必要になって、それがエンタメ、アート、ウェルビーイング、マインドフルネスだったり、人を幸せにするものへとどうやってみんなを引っ張っていくかというのがXRの重要なテーマになりますよね。

"体験をつくる時代"にクリエイターは何を考えるのか——対談:水口哲也×松山周平

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MoguraVR

川島:

一見閉じがちになりますよね。でもXRはつながったり、開かれたビジュアルに限らない共感覚的なものに進化してもいい。僕も実際に共感覚を体感したんですけど、体のどこがどうなるんだろうって体自身の声を聞くこんな感覚があるのかと。日常生活で味わえない体験を感じるのは、自分を知るという意味でもいいですよね。

僕はライゾマティクスの真鍋大度さんと六本木ヒルズの毛利庭園で、声を聞いてどこにポケモンがいるかを探す聴覚のARのエキシビジョンをしたんです。その時にDJでもある真鍋さんは、道で目をつぶって横断歩道で信号が変わったかを探る耳のトレーニングをしてるって言うんですよ。僕はすごいなと思って。それって一歩間違えば死ぬじゃないですか。

でも都会の中で目をつぶって耳をすます体験はないですし、感覚そのものに耳をすます方向性に可能性を感じましたね。

ポケGOのNianticとambieが連携、現実とゲームの音を聞きながらAR体験

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MoguraVR

水口:

人間の可聴領域って鼓膜では2万ヘルツ以上は聴こえないと言われてましたが、実は体全体の皮膚で聴いているってリサーチ結果があるんです。お母さんのお腹の中にいたときって、耳は発達してないので、音は身体全体から入っていると考えると道理にあってるんですよね。

シナスタジアX1で僕らが深掘りできていない感覚がまだ残っていると気づいたし、それが複合的な体験になったときに、幸せだったりみんなの何かを開いて、体験をアップデートする気がします。

GORO:

僕はわりとアラン・ケイしてる気がするんですけど笑 広める方がすごく難しくて。Twitter見てると、みなVRやVRChatで特許とれそうな発明いっぱいしてるんです。でもそれを世界に広めて一般化する際に、プロットとプロダクトの間にすごい壁があるんですよね。

この会場にいるみなさんはXRの担い手だと思うので、日本やばいなって未来を発明しつつ、世界に発信してWikipediaにみんなで残りましょうって思ってます。

それから僕自身が心がけているのは、井の中に蛙にならないこと。海外で刺激を受けて、常識を常にアップデートするのが大事だなと。

Oculus ConnectやCESなどの海外イベントで見て浴びて体験して、脳みそをリフレッシュすることで、これとこれ組み合わせて未来予想して、その未来を勝手に作って広めてビジネスできる、すごい楽しい時期だと思う。

今、iPhoneのiOSアプリでゲームを当てるのは辛いけど、個人のインディでもXR領域は原石が残っているんじゃないかな。

川島:

奥さんにガジェット買いまくっていることの言い訳で使っていいですか(笑)。

GORO:

はい。そのままテンプレで使ってください(笑)

川島:

実はうちのジョン・ハンケもアラン・ケイの今の言葉がすごく好きで、「未来を発明する方法の一つは未来のまわりに常にいることだ」と言ってるんですけど、常に好奇心を持ってついていくことが大事なんじゃないかなと感じますね。

屍を乗り越え、未来は作られる

川島:

あとは楽屋でも盛り上がりましたけど、頭のネジが外れていることが大事。僕もエンジニアと一緒に3DプリンタでARグラスみたいなものを自作して、帽子にくっつけてフードをかぶって、警官の前をわざわざ歩いたりして(笑)。10代だとわかるけど、40代で捕まったらまじシャレにならない。

水口:

伝説になる(笑)。川島さんARグラスをかけて警察に捕まる。

GORO:

職質をされる(笑)。

川島:

AirPodsのうどんもそうですけど、未来に近いところにいると人から見ると滑稽に見えるけれど、そういう屍を乗り越えて、未来は作られる。

GORO:

まさに。どんだけ屍作ったか(笑)。

川島:

GOROmanさんが捕まったあとを乗り越えてね。

GORO:

よろしくお願いします。ドローン飛ばして捕まって(笑)

川島:

ネジ外れてるなってくらいでやる方が楽しい。

GORO:

ネジって外せるんですかね? 僕、産まれたときから外れてるんですけど(笑)。遺伝子だからしょうがないのかな。

川島:

外すか外さないかって選択肢があったらはずすというのがいいんじゃないんですか。

GORO:

僕、学校教育に物申したいんですけど、ネジが外れた子を自由にさせてほしい。ネジが外れてる子もセーフティネットがあると、将来すごい子になるのかなって。

すんくぼ:

水口さんいかがですか?

水口:

時代が動くときは時間がかかるじゃないですか。今思ってもできないことってたくさんありますよね。僕はゆっくりと複数のことを同時に考え続けるって意味の「スローモーション・マルチタスキング」という言葉が好きなんです。

今はできないけど、長く細くプロジェクトをやり続ける感じが僕には合ってるんですよね。あるときにテクノロジーがやってくるとか、時代がピタッとはまるとか。パーンと動けるみたいな……。

GORO:

水口さんがOculusオフィスに来た瞬間ですよね。

水口:

そうですね(笑)。アインシュタインがある年に一気に違う論文を4つか5つかまとめて書くんですよ。それは「スローモーション・マルチタスキングしていたから一気にスパークしたんだ」って、クリエイティビティとスローモーション・マルチタスキングを研究している人が言ってたんです。

XRって一気通貫の体験メディアだから、車の自動運転から突然XRがくるかもしれないし、それぐらいXRって幅が広いものだなと。

川島:

スローで言うと、まわりの人から「VR終わったね」とか「うまくいかないね」、「AR時間かかるね」って言われてもそれに対してあまりブレないことですよね。約束された未来はある種見えているので、そこまで楽しくやっていくしつこさは大事。

NianticもポケモンGOが出るまでの間に、すっごいいろいろあって、会社終わるぐらいの時もあったんで。あまりまどわされないように。

水口:

あきらめないことだよね。それはあると思うな。

すんくぼ:

最初に(「XR Kaigi」の参加者は)少数のチームが多いと統計でもでてましたけど、大きな組織で理解を得られない中でXRに取り組まれている方も多いと感じています。これからもしつこく粘り強くXRに取り組んで、XRが今日話したビジョン方向に進んでいることを感じながら、ヒントを見つけていただけたらと思っています。

それではありがとうございました。

(了)

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